Japanese
English
臨床報告
子宮瘤膿腫穿孔による汎発性腹膜炎の1例
Spontaneous perforation of pyometra with panperitonitis:a case report
山下 博士
1
,
坂本 昌士
1
,
山本 修
1
,
岡本 康
1
,
向井 晃太
1
,
二宮 基樹
1
Hiroshi YAMASHITA
1
1医療法人光輝会光輝病院外科
キーワード:
子宮瘤膿腫
,
汎発性腹膜炎
,
子宮穿孔
Keyword:
子宮瘤膿腫
,
汎発性腹膜炎
,
子宮穿孔
pp.1495-1499
発行日 1994年11月20日
Published Date 1994/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901723
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はじめに
子宮瘤膿腫は悪性腫瘍や老人性頸管萎縮分娩,人工妊娠中絶,放射線照射,先天性奇形などが原因となり発症する比較的まれな疾患である.このうち穿孔に至るものはきわめてまれであり,本邦報告例は現在までに30例を認めるにすぎない.この子宮瘤膿腫の穿孔が起きる機序としては,種々の原因により子宮頸管の狭窄や閉塞が生じ,子宮内分泌物の自然排出が障害され,細菌感染により膿や壊死物質が貯留し,分泌物の増加に伴って子宮内圧が上昇し,子宮破裂をきたすことが考えられている.
今回われわれは,腹腔内遊離ガス像により消化管穿孔と術前診断した,85歳の子宮瘤膿腫穿孔による汎発性腹膜炎の1例を経験した.高齢女性の汎発性腹膜炎の原因疾患の1つとして念頭におくべきと考え,若干の文献的考察を加えて報告する.
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