特集 施設別/新・悪性腫瘍治療のプロトコール
Ⅱ.胃癌治療のプロトコール
(5)愛知県がんセンター消化器外科
山村 義孝
1
,
紀藤 毅
1
Yoshitaka YAMAMURA
1
1愛知県がんセンター消化器外科
pp.74-81
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901673
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胃癌は日本人にとって最もポピュラーな悪性腫瘍であり,日本全国どこへ行っても,世界最高レベルの治療を受けることができる.しかし一口に胃癌といってもその病態は様々であり,すべての症例に対して同一の治療ということはあり得ない.“胃癌の生物学的特性に基づいた合理的な治療”が要求され,それを目指して多くの努力が払われつつあるが,これは簡単にできることではない.
今回は,当院における胃癌患昔の流れ(胃癌治療のプロトコール)とそれぞれの分岐点における治療方針を紹介することで,“胃癌の生物学的特性に基づいた合理的な治療”とはどのようなものかについて,私どもの考え方を述べることにした.
当院における胃癌の診断から治療までの大雑把な流れを図1に示した.これは当院独自のものではなく,現在の本邦における胃癌治療の主流でもある.以下,この流れの方向に従い,その各分岐点における治療方針を紹介する.
なお,用語は胃癌取扱い規約1)に従った.
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