病院建築・76
愛知県がんセンターの火災事故
浦 良一
1
,
伊藤 誠
2
,
柳沢 忠
3
,
長沢 泰
4
,
今井 正次
3
,
河口 豊
2
1明治大学工学部
2千葉大学工学部
3名古屋大学工学部
4病院管理研究所
pp.69-74
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205692
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はじめに
前稿の「病院と災害」で,病院の災害対策を労える場合,まずその特殊性を的確に把握し問題の正しい理解から出発しなければならないことを強調した.そして,そのために行った10病院における災害に関連した施設と管理の現況調査を述べ,いくつか問題点の指摘を行った.
ところで,この調査対象に含まれていた愛知県がんセンターで,そのすぐあと4か月ほどたった本年2月8日夜半,火災が発生した.このようなことが万一にもないことを願っての調査であったから,大変に驚き,まさに背筋が寒くなる思いをしたものである.幸いにして犠牲者もなく,施設面での被害もさほどのことはなくてすんだが,‘病院火災’への関心が高まっている折だけに,新聞などでもかなり大きなニュースとして扱われ,またその後病院の世界でもいろいろな形で話題にのぼることとなった.
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