特集 癌治療のプロトコール2005-2006
Ⅹ.肺癌治療のプロトコール
新潟県立がんセンター新潟病院呼吸器外科
小池 輝明
1
,
大和 靖
1
,
吉谷 克雄
1
,
宮内 善広
1
1新潟県立がんセンター新潟病院呼吸器外科
pp.319-324
発行日 2005年10月22日
Published Date 2005/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100239
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はじめに
わが国における肺がん手術症例は増加の一途をたどり,日本胸部外科学会が調査を開始した1986年の肺がん手術数は6,421例1)であったが,2000年には18,643例2),2002年には20,440例3)と,近年は年間2万例以上が手術の対象となっている.手術対象例の肺がん進行度にも変化がみられ,呼吸器外科学会の調査によると,1989年に切除された3,643例の病理病期はⅠ期47%,Ⅱ期10%,Ⅲ期37%とⅢ期の比率が高かったが4),1994年の切除7,393例ではⅠ期51%,Ⅱ期15%,Ⅲ期30%とⅢ期が減少し,Ⅰ・Ⅱ期が増加してきた5).2001~2002年に新潟県で切除された1,211例でみるとこの傾向はさらに顕著となり,Ⅰ期74%,Ⅱ期10%,Ⅲ期14%とⅠ期症例が大勢を占める状況に変化してきた6).
本稿では,このような現状を踏まえて当施設における肺がん治療のプロトコールを紹介する.
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