Japanese
English
特集 上部消化管の術後運動機能評価と病態
食道裂孔ヘルニア術後の食道運動機能評価と病態
Postoperative esophageal motility and pathophysiology of hiatal hennia
村上 卓夫
1
,
丹黒 章
1
,
林 弘人
1
,
草薙 洋
1
,
佐伯 俊宏
1
,
鶴見 征志
1
,
阿部 俊弘
1
1山口大学医学部第2外科
キーワード:
食道裂孔ヘルニア
,
噴門括約機構
,
下部食道噴門高圧帯(HPZ)
,
Nissen法
,
24時間pH内圧測定
Keyword:
食道裂孔ヘルニア
,
噴門括約機構
,
下部食道噴門高圧帯(HPZ)
,
Nissen法
,
24時間pH内圧測定
pp.165-172
発行日 1994年2月20日
Published Date 1994/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901477
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噴門括約機構は,下部食道括約筋(LES),Willis胃斜走筋,横隔食道靱帯などにより構成され,このうちLES,Willis胃斜走筋が逆流防止に重要な働きをしている.噴門が横隔膜上に逸脱する食道裂孔ヘルニアでは,これら括約機構の協調性が失われ,内圧上は高圧帯の圧低下,幅の延長となって現われ,胃および十二指腸内容物が食道内に逆流し,逆流性食道炎を惹起する.犬ヘルニアモデルによる実験により,ヘルニア術式のうちNissen法が優れていることが示唆された.われわれの行っているNissen変法術後には,内圧上も逆流防止に十分な高圧帯の形成と,しっかりとした嚥下波の伝導を認めた.24時間pH測定でも逆流はほとんど認めず,臨床症状も著明に改善していた.
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