発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014230536
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小児の巨大食道裂孔ヘルニアの姉妹例を経験した。症例1は1歳6ヵ月女児で、出生後3ヵ月で突然、哺乳後の嘔吐と顔色不良が出現し、食道裂孔ヘルニアと診断された。症状が容易に軽快したため経過観察となった。突然の血性嘔吐・発熱・顔色不良が出現した。横行結腸の嵌入を合併した全胃滑脱型食道裂孔ヘルニアと診断し、開腹術を施行した。術後経過は良好で嘔吐はなく、胃の固定、His角の形成とも良好で、胃食道逆流は認めなかった。症例2は5歳6ヵ月女児で、出生後より嘔吐があり、食道裂孔ヘルニアと診断された。体重増加良好で保存的治療を選択した。胃食道逆流を認め、発育障害が続いた。滑脱型食道裂孔ヘルニアと診断し、経過観察となった。顔色不良で入院した。胃が全滑脱した食道裂孔ヘルニアの診断で開腹した。経過は良好で嘔吐はなく、胃の固定、His角の形成とも良好で、逆流は認めない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014