カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・18
胸腔鏡下縦隔腫瘍摘出術
立石 雅宏
1
,
濱武 基陽
1
,
福山 康朗
1
,
神殿 哲
1
,
石田 照佳
1
,
杉町 圭蔵
1
1九州大学医学部第2外科
pp.139-142
発行日 1994年2月20日
Published Date 1994/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901474
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はじめに
現在の外科療法は拡大手術の見直しの時期にきており,根治性を損なわないものであれば,美容的あるいは機能的にも,より障害が少ない手術が選択されるようになってきた.
腹腔鏡下胆嚢摘出術の普及により,ビデオ内視鏡下手術に使用される器具の発達は顕著であり,ほぼ同じ器具が胸腔鏡下手術にも応用できることも相俟って1),呼吸器外科領域の手術にも内視鏡下手術が積極的に取り入れられるようになった.術式として,ブレブ切除術2-4),肺楔状切除術5),肺葉切除術6),胸壁腫瘍切除術7),縦隔腫瘍摘出術8)などが報告されている.これらのなかで,縦隔腫瘍は多岐の腫瘍があらゆる年齢層にみられる疾患である.大部分は嚢腫や良性腫瘍であるが9),周囲臓器への圧迫や穿破,悪性腫瘍の可能性10)により従来は開胸による手術が行われていたが,今後は胸腔鏡下腫瘍摘出術が増加すると思われる.
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