特集 Dos & Don'ts外来の小外科
Ⅲ.胸部
8.乳頭異常分泌
稲治 英生
1
,
小山 博記
1
1大阪府立成人病センター外科
pp.122-123
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901327
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乳頭異常分泌(広義)とは,妊娠・授乳期以外の乳頭からの分泌を指すが,これはさらに乳腺の器質的病変の有無により乳頭異常分泌(狭義)と乳汁漏出症とに大別される(表).後者では血中プロラクチンの上昇を伴い,多くは無月経となるので前者との鑑別は容易である.したがって,以下,乳腺疾患としての乳頭異常分泌(狭義)で,しかも腫瘤を触知しない場合に話の焦点を絞る.乳頭異常分泌の原因となりうる主な乳腺疾患には,乳管内乳頭腫,乳腺症,乳癌などがある.われわれの乳頭異常分泌症に対する診断手順を図1に示す.生検の適応は,surgically significant discharge(液の性状が血性,漿液性,水様)1)であることを前提として,①細胞診,②分泌液CEA2),マンモグラフィーや乳管造影などの所見,年齢を参考に決定すべきである.少なくともnonsurgica11y sig-nificant discharge(膿性,乳汁様,粘性)1)はその対象とすべきでない.以下,生検法として最も一般的なマイクロドケクトミー3)の手技について述べる.
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