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特集 MRSA感染症対策の実際
術前・術中・術後のMRSA感染症対策
Managements of pre-, in- and postoperative MRSA infections
炭山 嘉伸
1
,
草地 信也
1
1東邦大学医学部第3外科
キーワード:
MRSA感染症
,
MRSA保菌者
,
院内感染
,
術後感染症
Keyword:
MRSA感染症
,
MRSA保菌者
,
院内感染
,
術後感染症
pp.725-731
発行日 1993年6月20日
Published Date 1993/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901176
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術前から術中・術後を通してMRSA感染を予防する決定的な手段はなく,その対策の主眼は術後感染そのものの発症を抑えること,交差感染を予防すること,菌交代症を起こさせないことにつきる.このためには,術前から宿主の易感染状態を可能な限り改善しておくこと,十分な術前訓練をしておくこと,十分な院内感染対策を行うこと,確実な手術操作・術後管理を行うこと,必要以上の抗菌剤を投与しないことが要点となる.また,感染徴候のないMRSA保菌者は安易にバンコマイシン(以下「VCM」)などを投与せず,ムピロシン軟膏,ポピドンヨードなどで除菌をはかり,交差感染源にならないように注意する.また,MRSA感染予防のシステムを確立し,術後感染発症率,MRSA感染発症率,病棟内のMRSA分離状況を定期的に調査し,情報として医療従事者に提供することが望まれる.
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