特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅶ.検査,保存的処置と薬物療法
1.食道・胃静脈瘤硬化療法
鈴木 博昭
1
1東京慈恵会医科大学内視鏡科
pp.270-272
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901022
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食道や胃静脈瘤からの出血は慢性肝障害例の約30%に生じ,初回の出血によって約50%の症例が死亡(うち30%は入院中の死亡)するという1).したがって,静脈瘤出血のコントロールに関しては,古くから薬物療法,バルーン圧迫法,内視鏡的治療や外科的治療などがほぼ並行して検討されてきた2).緊急時の対策としては止血法に関する文献は多いが,それ以前の蘇生法やそれ以後の薬物療法のみを取り上げて記されたものは少ない.
筆者に与えられたテーマは「食道・胃静脈瘤硬化療法」であるが,硬化療法前後における薬物療法は,①蘇生除,②緊急止血時,③再出血防止などの場面で登場してくるので,本稿ではこの順番で述べてみたい.
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