特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
26.溶血性貧血および溶血
榎原 英夫
1
1獨協医科大学第3内科
pp.212-213
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900999
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術前Hb濃度は10g/dl以上が望ましいが,術中に溶血亢進の可能性のある場合は,さらに濃度を上げる.原疾患の治療により貧血が是正されることが望ましいが,不能の場合や緊急時には白血球除去フィルターを用い,洗浄赤血球輸血を行う.自己免疫性溶血性貧血では,血液型や交差試験の判定に困難を伴うことがあり,また,輸血された赤血球も速やかに破壊されるので,なるべく輸血を避ける.自己抗体の血液型特異性が判明している場合は適合血を選択する.造血の亢進による葉酸欠乏,血管内溶血に伴う鉄欠乏が貧血に関与している可能性も検討する.
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