特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
11.高血圧
高浜 龍彦
1
1埼玉医科大学総合医療センター第1外科
pp.172-174
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900984
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高血圧症は,長期的には動脈硬化症のリスクファクターであるが,外科手術を受ける患者の術前,術中,術後の問題点としては,全身の末梢血管抵抗の上昇による心への負荷の増大,その結果としての心血管障害の誘発や末梢循環障害による臓器血流不全,また脳血管障害の誘発などの病因となることである.
また特に,術中,術後の過度の高血圧は,心血管手術の再建部位の再破綻の原因ともなり得る.したがって,手術を安全に遂行するためには,術前の高血圧のコントロールはもちろんのことであるが,術中および術後の適切な血圧コントロールがきわめて重要である.個々の症例の病態と手術の目的に合わせ,さらに術前,術中,術後において,投与可能な薬剤の剤型などを考慮して適切な薬物療法を行うことが肝要である.
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