特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅰ.救急患者のプライマリ・ケアにおける薬物療法
12.呼吸困難
北村 諭
1
1自治医科大学呼吸器内科
pp.34-35
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900928
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通常は,呼吸運動は無意識に行われており,何らの努力も困難も伴わない.一方,呼吸をするのに困難を覚える,または呼吸をするのに苦痛を感じる場合には,呼吸困難があると考えられる.しかし,これはあくまで自覚的な訴えであり,他覚的所見としての呼吸困難はない.したがって,本症状には心理的または感覚的因子の関与する余地が大であり,逆に意識レベルが低下している時には呼吸困難の訴えも少なくなる.
呼吸困難という自覚症状の発生機序についてはまだ不明な点が多いが,近年,いくつかの興味ある仮説が提出されている.すなわち,Campbellらの呼吸筋の換気努力と換気量のアンバランス説,McLloryの換気仕事量増加説,Wrightの呼吸中枢連続刺激説などである.
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