特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅰ.救急患者のプライマリ・ケアにおける薬物療法
11.胸痛
矢崎 誠治
1
1駿河台日本大学病院救命救急センター
pp.32-33
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900927
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胸腔内には心臓,大血管,肺などの生命を維持するために不可欠な重要臓器が存在し,これらの臓器に起因する痛みは,生命にかかわる重篤な疾患を表していることが少なくない.したがって,胸痛を主訴とする患者の診療に当たっては,痛みの部位,強さ,持続時間,性質と,全身状態,vitalsigns,理学的所見から緊急度,重症度の高い疾患を適確に鑑別し,救命処置と診断を同時に進める必要がある.胸痛を訴える症例の診療手順を図に示す.
胸痛に対する薬物療法は原因疾患の治療が主体となるが,痛みが強く不安感を伴う場合は鎮痛薬の投与が必要になる.鎮痛薬の投与によってショック状態が増悪したり,呼吸抑制が生じることがあるので,静脈路の確保やvital signsの頻回のチェックが必要である.
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