最後までよい人生を支えるには 多死時代の終末期医療 症状緩和をして終末期を支えるには
呼吸困難
田中 桂子
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 緩和ケア科
キーワード:
Morphine
,
Steroids
,
抗不安剤
,
癌看護
,
緩和ケア
,
Cholinergic Antagonists
,
呼吸困難
,
酸素吸入療法
,
ターミナルケア
Keyword:
Dyspnea
,
Morphine
,
Oncology Nursing
,
Oxygen Inhalation Therapy
,
Palliative Care
,
Steroids
,
Terminal Care
,
Anti-Anxiety Agents
,
Cholinergic Antagonists
pp.1190-1194
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014056491
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呼吸困難は,がん患者において頻度が高く難治性の症状の一つである.終末期における治療のゴールは「呼吸不全を治す」ことではなく,「呼吸困難の不快な感覚を改善する」こととなる.原因病態に対する治療は,予後の見通し・治療のメリットとデメリット・本人と家族の希望を踏まえ多職種で検討する.酸素療法は,本人の改善感をターゲットとして流量や方法を調整する.対症的薬物療法としては,モルヒネ・ステロイド・抗不安薬を組み合わせるが,とくに終末期では慎重に微調整する.呼吸法の指導,生活動作の工夫,環境整備,リラクセーション,安心感の提供,家族への十分な説明とサポートが重要である.難治性呼吸困難に対してはセデーションも検討する.
©Nankodo Co., Ltd., 2013