Japanese
English
臨床報告
悪性リンパ腫の化学療法中にcytomegalovirus直腸潰瘍を合併した1例
A case of cytomegalovirus rectal ulcer following chemotherapy of non-Hodgkin's lymphoma
板東 隆文
1
,
豊島 宏
1
,
八巻 隆
1
,
磯山 徹
1
,
鈴木 憲史
2
Takafumi BANDOH
1
1日赤医療センター消化器外科
2日赤医療センター血液科
pp.1365-1368
発行日 1992年10月20日
Published Date 1992/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900911
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はじめに
Cytomegalovirus(CMV)感染症,すなわちcytomegalic inclusion disease(CID)は,健康人では稀な日和見感染症である.悪性疾患,血液疾患,膠原病,後天性免疫不全症(AIDS)などを合併するか1-4),臓器移植などで免疫抑制剤を投与されている患者では5,6),不顕性感染であったCMVの活性化によりCIDが発症する.CIDは中枢神経系,網膜,耳下腺,肺,腎,副腎,皮膚など全身の臓器でみられるが,最近では消化器CIDが増加している.消化器CIDとしては急性肝炎のほかに,食道,胃,十二指腸,小腸,大腸,直腸の潰瘍などがある.消化器CIDの多くはAIDSに合併したものであるが1-4,7-9),著者らは,非ホジキン性リンパ腫(NHL)の化学療法中に大量出血を来した直腸潰瘍を経験したので報告する.
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