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特集 大腸癌治療のフロンティア
大腸sm癌の治療方針
Management for invasive carcinoma of the colon and rectum
正木 忠彦
1
,
沢田 俊夫
1
,
武藤 徹一郎
1
Tadahiko MASAKI
1
1東京大学医学部第1外科
pp.1131-1137
発行日 1992年9月20日
Published Date 1992/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900878
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大腸sm癌に対する内視鏡的ポリペクトミーの適応は病変の大きさ,形態,部位,術者の技術などによって決定される.追加腸切除を行うか否かは摘除標本(sm癌)の病理組織検査による.すなわち脈管侵襲陽性,断端陽性またはその近傍にいたるmassive invasion,低・中分化腺癌がリスクファクターとして重視されている.教室の大腸sm癌87例では初回治療として70%の症例に局所切除を含むポリペクトミーが行われ,半数に追加腸切除がなされ2例(6.3%)にリンパ節転移が認められた.また28例のsm癌,17例の腺腫,m癌に局所切除術が施行され,縫合不全は6.9%,局所再発率は4.4%と低率であった.他病死の3例を除いて全例生存しており,リスクファクター陽性であっても下部直腸sm癌ではまず局所切除術(経肛門的,経仙骨的,経括約筋的)を選択すべきである.
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