小児外科医の独白・20
続々先天性食道閉鎖症(倫理問題)
角田 昭夫
1
1神奈川県立こども医療センター
pp.1060-1061
発行日 1992年8月20日
Published Date 1992/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900866
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先天性食道閉鎖の映画 第84回日本外科学会総会で京都大学教授・日笠頼則会長(1991年逝去)から「先天性食道閉鎖の手術」の映画作成を依頼されたのは,1983年の春である.1年間の余裕があったのだが,肝腎の食道閉鎖の新生児が待てど暮らせど現れない.やきもきしているところへ昭和大学外科の岡松孝男助教授(現教授)が石井淳一教授(現学長)の許可を得て,昭和大学に入院した新生児を,われわれが出向いて手術し,それを映画に撮ったらと申し出てくれた.昭和大学外科の小児外科グループとは,前々から若手医師の研修などを通じて親交はあったのだが,このような好意的申し出に大変感謝した.
そのころ既に私は「胆道閉鎖」以外の手術はやっていなかったし,昔からどうも私の手術した食道閉鎖の成績は良くなく(つまり小児外科医として私はあまり出来が良くなく),手術は全部,外科部長・西 寿治君に任せっきりだった.この映画発表1)の筆頭名も説明の声も私だが,術者は西君である.KCMCフォト・センターの写真技師がカメラを担いで同行した.
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