小児外科医の独白・19
先天性食道閉鎖(手術成績)
角田 昭夫
pp.924-925
発行日 1992年7月20日
Published Date 1992/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900848
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Waterstoneの分類1)先天性食道閉鎖のリスク分類として,われわれの間では長い間使われていたものである.1962年LondonはGreat Ormond Streetの外科医D.J.Waterstoneが,同施設で手術した218人の先天性食道閉鎖症のちょうど半分に当たる109人を救命したと報告する.序論に歴史的事項も書かれ,英国での最初の手術成功者は,1947年 HammersmithHospitalのR.H.Franklinだったという.
Waterstoneは救命率に関係する因子として,①生下時体重,②合併奇形,③肺炎を挙げ,有名な分類を提案する.すなわちAは成熟児で合併奇形も肺炎もないグループ,Bは軽度の未熟児(体重1,800g以上)か,成熟児で奇形も肺炎も軽症のもの,Cは体重がそれ以下か重症合併奇形,重症肺炎の新生児である.最近5年間のWaterstoneシリーズの救命率は,A:100%,B:79%,C:6%であった.
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