特集 肛門疾患診療の実際—私の方法と根拠
設問
Ⅲ.痔核手術について
衣笠 昭
1
,
竹馬 浩
2
,
升森 茂樹
3
,
高野 正博
4
,
住江 正治
5
,
隅越 幸男
6
,
岩垂 純一
6
1松島病院
2チクバ外科胃腸科肛門科病院
3野垣病院
4大腸肛門病センター高野病院
5水前寺大腸肛門科医院
6社会保険中央総合病院大腸肛門病センター
pp.874-887
発行日 1992年7月20日
Published Date 1992/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900844
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痔核手術を行う際の考え
痔核とはどのような病態かについは,元来,肛門の閉鎖に役立ってクッションの用をなす正常,生理的なものであったものが,便秘などによる肛門部への負担などから出血を生じたり脱出するようになり,病態として認識されるようになったとの考えや,痔核は直腸肛門部の静脈叢の静脈瘤ないしは動静脈瘤であるとの考えが代表的なものといえる.
そして,手術に際しては完全な痔核組織の除去を目指し小さな痔核組織もなるべく切除しておくべきであり,根治のためには根部血管を可及的に高位で結紮すべきとの考えや,完全な侵襲を加えるよりも,少しは痔核組織を残しても術後の機能を温存するように軟らかい肛門となるように留意すべきとの考えが代表的なものであろう.
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