特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
6.大腸・肛門手術
痔核・痔瘻手術
辻 順行
1
,
高野 正博
1
,
黒水 丈次
1
1福岡高野病院
pp.140-144
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902464
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肛門疾患のなかでも痔核,痔瘻はもっとも頻度の高い疾患で,手術が手軽に行われる傾向にある.しかし,肛門部は消化管の出口に位置し,術後においては術創に便が付着するため一度合併症が生じると,他の消化管と比べて症状が表面化しやすく,それだけに術前の症状を把握し,適切な手術を行うことが重要である.当院では術前の検査として,問診,視診,触診の他,肛門内圧,肛門エコー,defecographyなどの直腸肛門機能検査を行っている.これらの検査結果を分析することによって,原疾患に対してより確実な治療を行うだけでなく,副病変に対しても確実な処置を行い,さらに機能検査の結果も参考にし肛門機能を損なわない手術を行うように努めている.
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