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特集 外科における超音波検査—新しい展開
リニア型超音波内視鏡による噴門癌の口側浸潤診断
Diagnosis for the oral invasion of the cardiac cancer by the electronic linear array endoscopic ultrasonography
有馬 美和子
1
,
神津 照雄
1
,
小出 義雄
1
,
磯野 可一
1
Miwako ARIMA
1
1千葉大学医学部第2外科
pp.15-24
発行日 1992年1月20日
Published Date 1992/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900710
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超音波内視鏡(EUS)診断がもたらす術前情報が実際の外科治療法の選択に直結する疾患として,噴門癌の口側浸潤診断について報告した.下部食道から噴門部を同一画面で連続的に描出できるのはリニア型EUSの特性であり,噴門癌の口側への広がりを検索するのに適している.噴門癌の口側形態を5型に分類し,病理組織像と比較検討した.表層浸潤型(D型),びまん浸潤型(E型)は浸潤傾向が強く,食道浸潤例の中では特にE型が食道上皮下進展距離が長く,口側切離線決定において要注意な形態である.また,横隔膜筋脚の口側先端である食道裂孔部(hiatus)は術式選択の規準点として設定でき,癌口側端がhiatusを越える症例では,開胸を付加するべきである.
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