特集 術前・術後管理 '91
H.術後合併症の対策
e.消化管術後の合併症
結腸切除術後の縫合不全
貞広 荘太郎
1
1川崎市立井田病院外科
pp.286-287
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900653
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■問題点の解説■
結腸切除後に縫合不全が発生する率は4〜40%と報告されている.報告者により発生率に大きな差があるのは,対象にした疾患,手術術式,縫合不全の検査方法が異なるためと考えられる.縫合不全は結腸切除手術後の死亡原因の約1/3を占め,縫合不全を併発するとそのうちの11〜39%が死亡すると報告されている.
腸管の縫合の3大原則は,縫合する腸管に十分な血流があること,縫合部に緊張がかからないこと,water-tightに縫合することであるが,手術時に以上の条件を満たしていてもなお縫合不全は発生しえる.表に腸管縫合に不利な条件を示す.
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