特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
5.大腸
結腸切除術後の手縫いによる結腸-結腸吻合
池内 浩基
1
,
中埜 廣樹
2
,
内野 基
1
,
山村 武平
3
Hiroki IKEUCHI
1
1兵庫医科大学下部消化管外科
2なかのクリニック
3兵庫医科大学病院
pp.240-243
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102808
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はじめに
結腸-結腸吻合にも最近では器械吻合を行う施設が増加しているが,手縫い吻合は腸管再建の基本であり,これを十分に習得しておくと,予期せぬ事態にも対処できる.消化管の手縫い吻合には多くの方法が報告されているが,本稿では1層吻合の代表として,粘膜接合型のGambee吻合,2層吻合の代表として,漿膜接合型のAlbert-Lembert吻合について述べる.
いずれの吻合にしても,要点はまず①縫合不全を生じさせないこと.これには,吻合部腸管の血流に十分に注意すること,粘膜欠損を生じないように吻合すること,見た目に美しい等間隔な吻合を行うことが必要である.
次に,②吻合部の狭窄を生じないようにすること.吻合後の腸管は吻合部に浮腫を生じてしまうため,特に2層吻合では必要以上の内翻は行わないほうがよい.また,③吻合部の手術後出血を生じさせないこと.このためには,吻合時に出血が認められた部位には迷わず1針追加縫合を行うことである.
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