特集 術前・術後管理 '91
G.術式別の術後管理
肝硬変合併肝癌に対する肝切除術
今岡 真義
1
1大阪府立成人病センター外科
pp.164-166
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900603
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■問題点の解説■
肝切除術そのものは近年比較的安全な手術になってきたが,肝硬変を合併する肝切除は非硬変肝と比較して合併症も多く,危険度も高い.
硬変肝を持つ患者は,①肝予備力の著明な低下,②門脈圧亢進を伴う食道・胃静脈瘤,③胃潰瘍や胃びらん形成,④血小板減少・凝固因子低下による出血傾向,⑤アルブミン減少に伴う循環不全など数多くの合併症を有している.したがって,これらの合併症を持つ患者の肝切除は,術後も複数の合併症に見舞われることも多く,ときには死に至ることもある.
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