特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
食道・胃静脈瘤
外科から
小林 迪夫
1
,
御手洗 義信
1
,
吉田 隆典
1
1大分医科大学第1外科
pp.1345-1348
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900217
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食道静脈瘤はその基礎に肝障害を有するため,いったん出血すると止血に難渋し,肝不全に移行する危険も大であるので,その予後はきわめて不良といえる.最も確実な止血法は手術療法であろうが,出血時の緊急手術は患者リスクの面で危険が大きく,できるだけ保存的に処理し,止血後,待期的に手術を行う心構えが,外科としての治療の原則であろう.
今回は,門脈圧亢進症研究会によって行われたさまざまな角度からの全国集計成績や,文献的考察などをもとに,緊急出血例,待期・予防例に分けて各種保存的治療と手術療法とを対比し,内視鏡的硬化療法(以下,硬化療法)を中心とする保存的止血法の適応と限界,さらには,外科治療を含めた集学的治療について考えてみたい.
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