カラーグラフ Practice of Endoscopy
食道内視鏡シリーズ・ⅩⅦ
粘膜下腫瘍
熊谷 義也
1
,
幕内 博康
2
,
林 真也
3
,
鈴木 雅雄
3
1(財)三越厚生事業団三越診療所
2東海大学医学部外科
3岐阜大学医学部放射線科
pp.155-157
発行日 1990年2月20日
Published Date 1990/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900026
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X線造影で食道の内腔に隆起性病変が発見された場合は,頻度的にみても,進行の速さからみても,まず扁平上皮癌を疑って,早く内視鏡検査に廻すべきであり,内視鏡下では一見して区別しうる.食道扁平上皮癌は悪性上皮性腫瘍であるから,通常のものは表層に癌が裸出しており,粗糙な上皮,びらん面などがみられる.ルゴール散布を行うと,明瞭な不染帯が得られ,生検で確診しうる.
粘膜下腫瘍とくに平滑筋腫は,ほとんどの例で正常に近い健常にみえる上皮に被われており,粘膜固有層にあって透見しうる樹枝状の血管像もきれいに観察されることが多い.
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