Japanese
English
臨床報告
胃癌術後にみられた孤立性腹腔動脈解離の1例
A case of isolated celiac artery dissection after gastrectomy for gastric cancer
山口 貴子
1
,
赤坂 治枝
1
,
堤 伸二
1
,
小笠原 宏一
1
,
柴田 滋
1
1弘前総合医療センター消化器外科
キーワード:
孤立性腹腔動脈解離
,
胃切除後
,
保存治療
Keyword:
孤立性腹腔動脈解離
,
胃切除後
,
保存治療
pp.346-349
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214481
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要旨
症例は50歳台,男性.胃癌に対して幽門側胃切除術,D2郭清を受けた既往があった.術後4年半時に突然の腹部不快感,両背部痛があり,腹部造影computed tomography(以下,CT)で,孤立性腹腔動脈解離の所見を認めた.腹腔動脈の血流は良好で血管外漏出や臓器障害を認めなかったため,絶食と疼痛管理を行い,数日で腹痛は改善した.その後のCTで腹腔動脈瘤は軽度の増大傾向を示したが,自覚症状や臓器障害の所見なく,その後動脈瘤は縮小傾向となった.本症例は孤立性腹腔動脈解離の明らかな危険因子を有していなかった.胃癌手術の際に腹腔動脈周囲郭清にエネルギーデバイスを用いており,手術と本疾患発症との関連性について検証を要するが,そのためにはより多くの症例集積が望まれる.
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