Japanese
English
臨床報告
上腸間膜動脈解離に腹腔動脈解離が合併した1例
A case of dissociation of superior mesenteric and celiac arteries
田中 達也
1
,
桑原 義之
1
,
木村 昌弘
1
,
三井 章
1
,
石黒 秀行
1
,
竹山 廣光
1
Tatsuya TANAKA
1
1名古屋市立大学消化器・一般外科
キーワード:
上腸間膜動脈解離
,
腹腔動脈解離
Keyword:
上腸間膜動脈解離
,
腹腔動脈解離
pp.825-828
発行日 2012年6月20日
Published Date 2012/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104123
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要旨
症例は34歳,男性で,突然の腹痛を主訴に近医を受診した.腹部造影CTで上腸間膜動脈と腹腔動脈の解離が認められたため当院に紹介された.腹部造影CTで上腸間膜動脈起始部と腹腔動脈根部に解離を認めたが,症状が軽度であったため保存的加療を行った.受診から6日後のCTで上腸間膜動脈の狭窄が強くなったことから,同日上腸間膜動脈にステントを留置した.ステント留置術後に抗血小板薬,抗凝固薬の内服を開始し,症状は軽快した.上腸間膜動脈解離は稀な疾患であり,腹腔動脈の解離を伴うものはさらに稀である.保存的治療や手術治療を行った報告が多いが,近年,血管内治療の報告も出てきており,文献的考察を加えて報告する.
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