FOCUS
「胃癌治療ガイドライン第6版」改訂のポイント
寺島 雅典
1
Masanori TERASHIMA
1
1静岡県立静岡がんセンター胃外科
pp.330-334
発行日 2022年3月20日
Published Date 2022/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213657
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はじめに
胃癌治療ガイドラインは2001年に初版が刊行されて以来,数年ごとに改訂が繰り返されており,今回は第6版として2021年7月に刊行された.今回の改訂において第5版と最も異なる点はそのスタイルであり,他のがん診療ガイドラインと同様にMinds診療ガイドラインに準じた形で作成された1).すなわち,テキスト文の形式の部分はあまり変わりがないが,クリニカルクエスチョン(CQ)は,スコープに基づいて重要臨床課題を決定した後に,patients, problem, population(P), intervention(I), comparisons, controls(C), outcomes(O)から作成された.さらに,各CQに対してガイドライン作成委員とは独立したシステマティックレビュー委員が文献を調査し,エビデンスをまとめ,エビデンスレベル(Ⅰ〜Ⅵ),エビデンスの強さ(A〜D)を決定した.これらのエビデンス総体に基づいてガイドライン作成委員の合議により推奨の強さを決定した
また,できあがったガイドラインはこれまで通りガイドライン評価委員に提出し意見を求めるとともに,ホームページ上に掲載し,学会員からのpublic commentを求めた.また,患者・市民参画(patient public involvement:PPI)の一環として,患者・市民の代表の方からもご意見を頂戴した.以下に,外科領域の内容に関して第5版と異なった点,および主要なCQに関して紹介する.
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