Japanese
English
臨床報告
腎細胞癌術後24年を経て膵転移をきたした1例
A case of pancreatic metastasis of renal cell carcinoma resected by distal pancreatectomy
堂本 優
1,2
,
山田 圭一
1
,
佐野 直樹
1
,
植田 貴徳
1
,
下村 治
2
,
小田 竜也
2
Yu DOHMOTO
1,2
1つくばセントラル病院消化器外科
2筑波大学附属病院消化器外科
キーワード:
腎細胞癌
,
膵転移
Keyword:
腎細胞癌
,
膵転移
pp.115-120
発行日 2022年1月20日
Published Date 2022/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213606
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要旨
症例は66歳女性.1994年,左腎細胞癌に対して左腎摘出術の既往がある.2018年2月,CT検査で膵尾部に多血性腫瘍を認め,膵神経内分泌腫瘍もしくは腎細胞癌膵転移疑いの診断で,2018年4月,膵体尾部切除術を施行.病理組織学的評価で腎細胞癌の膵転移と診断された.腎細胞癌は全体の約2.8%に膵転移を起こすことが知られているが,本症例のように24年という長期間を経て転移を示す報告は比較的稀だと考えられた.本邦で報告された腎細胞癌膵転移の223症例では,207例(93%)が術後20年までに再発し,21年以上経って膵転移をきたしたのは全体の7%であった.腎細胞癌の膵転移は本症例のように,長期間を経て他臓器に転移する可能性を念頭においた経過観察が必要と考えられた.
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