グラビヤ
域南村母子健康センター—群馬県勢多郡上州赤城山麓にことしから誕生
pp.2-8
発行日 1965年7月1日
Published Date 1965/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202995
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
城南村は赤城山正南麓のやや平垣地に位置し,総面積3395平方キロ,人口15549人,世帯2822戸を数える農村であります。
集落の分布状況は農村畑作地帯特有のきわめて散在的集落態型をなし,また国道や県道を除いては多くが交通事情が悪く保健所への交通も不便です。世帯のほとんどが農業を営んでおり,養蚕米麦の農業で4月から9月の間は三作の養蚕と麦刈り田植と重労働が重なり,このため婦人および子弟の体位におよぼす影響も大きい。そのため城南村では早くから母子保健を重視し,農業の技術および経営改善の問題とともに予防衛生活動の推進のため,保健婦の強化(保健婦5名)に努力して参りました。その結果乳児の死亡率の低下等には相当の成積をあげることができました。しかしその後,日本経済の高度生長にともない農村労働力は都市産業に吸収され,農業は再び主婦労働を主体とした農業経営に逆転したのであります。このため最近とくに妊娠中絶と過重労働から母体の健康が損われ憂慮すべき事態を生じて参りました。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.