Japanese
English
臨床研究
腹部緊急手術症例の現状と予後因子の検討
Our current practice in the surgical management of abdominal emergencies: assessment of prognostic factors
實 操二
1
,
今村 博
2
,
瀬戸山 徹郎
2
,
萩原 貴彦
2
,
田辺 元
2
,
小代 正隆
1
Souji SANE
1
1鹿児島県立大島病院外科
2出水郡医師会広域医療センター
キーワード:
腹部緊急手術
,
死亡率
,
予後因子
,
two-hit theory
Keyword:
腹部緊急手術
,
死亡率
,
予後因子
,
two-hit theory
pp.759-766
発行日 2021年6月20日
Published Date 2021/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213380
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要旨
1994年7月〜2019年6月までの25年間に筆者が経験した腹部緊急手術症例477例について,死亡例の術前予後不良因子に関して臨床的検討を行った.疾患は,消化管穿孔(38%),イレウス(23%),急性胆囊炎(11%)が多かった.疾患別死亡率は,上腸間膜動脈閉塞症が50%と最も高く,次に腹部大動脈瘤破裂38%であった.年齢別では,70歳以上が70歳未満に比べ有意に高かった.白血球数は少ないほど,死亡率が高い傾向にあった.SIRS陽性,CRP 20 mg/dL以上,発症から受診までに48時間以上の経過,クレアチニン3.0 mg/dL以上の症例は死亡率が有意に高かった.腹部緊急手術は,上記因子を含めて全身状態を評価し,適切な術式を選択することが重要であることが示唆された.
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