COVID-19陽性腹部緊急手術症例における感染対策の工夫と手術成績

Infection control and surgical outcomes of emergency abdominal surgery for COVID-19 positive patients

2019年12月に中国の武漢より拡大した肺炎は2020年に世界保健機関によりSARS-CoV-2 coronavirus disease 2019（以下，COVID-19）と名付けられ1），現在まで世界中に広がりをみせている．感染拡大初期の報告では，COVID-19陽性緊急手術の術後合併症は高率とされており2），日本外科学会は，「COVID-19陽性患者に関し，致死的でない，急を要さない疾患の予定手術は原則延期とし，致死的でないが重症化する可能性のある疾患は可能であれば手術を延期する，致死的になりうる疾患は十分な感染対策を講じ慎重に手術を実施すること」と提言した3）．