FOCUS
胆道癌薬物療法の最新動向
岡野 尚弘
1
,
廣田 玲
1
,
西岡 真理子
1
,
杉浦 ちとせ
1
,
前園 知宏
1
,
河合 桐男
1
,
水谷 友紀
1
,
長島 文夫
1
,
古瀬 純司
1
Naohiro OKANO
1
1杏林大学医学部腫瘍内科学
pp.1484-1488
発行日 2020年12月20日
Published Date 2020/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213222
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はじめに
胆道癌は乳頭部を含む肝外胆道系に原発したがん腫であり,「胆道癌取扱い規約」により肝外胆管癌,胆囊癌,十二指腸乳頭部癌に分類される.肝内胆管癌は,取扱い規約では原発性肝癌として取り扱われているが,治療開発は胆道癌として進められている.胆道癌では,外科手術のみが根治を期待できる治療法であるが,切除例の6〜7割に再発が認められ,切除例でさえ予後不良な難治癌である.胆道癌全体の予後改善には,切除不能例や術後再発例に対する化学療法,根治切除例に対する術後補助化学療法の開発が必須である.
近年,切除不能・再発胆道癌に対する一次治療の二つの第Ⅲ相試験の結果が本邦から発表された.二次治療においては海外から有望な治療薬の結果が相次いで発表されている.また,術後補助化学療法に関しても,本邦で実施されている第Ⅲ相試験の結果がまもなく公表される予定であり,期待が高まっている.
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