書評
—ストラクチャークラブ・ジャパン(監修)有田武史,原 英彦,他(編)—SHDインターベンションコンプリートガイド
新浪 博士
1
1東女医大・心臓血管外科
pp.1008
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213033
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2013年に経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI),そして2018年に経皮的僧帽弁形成術(MitraClip®)が保険償還されるようになり,今や構造的心疾患に対するカテーテル治療“structural heart disease(SHD)インターベンション”は多くの患者さんに対する有効で画期的な治療法であることが認知された.特にTAVIに関しては,その良好な成績から外科的手術中等度リスク症例や二尖弁症例にも徐々に適応が拡大され,もはや日常診療の一部として取り込まれつつある.また,経カテーテル僧帽弁置換術・肺動脈弁置換術や三尖弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療なども海外ではすでに進んでおり,今後さらに発展していく分野と考えられる.
この分野の治療法の最も大きな特徴は,治療がインターベンション医のみでは完結せず,心臓血管外科医,循環器内科医,麻酔科医,放射線科医,臨床工学士,看護師,放射線技師などのスペシャリストから成る,いわゆる「ハートチーム」の形成が大変重要であるということである.本書はSHDインターベンションの全てを網羅しているだけでなく,ハートチームのどの職種にも読みやすく,一読すれば治療の概要が理解できる構成になっている.
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