トピックス
有田市におけるコレラの流行を振り返って
岩田 弘敏
1,2
1和歌山県立医大公衆衛生
2和歌山県湯浅保健所
pp.801-805
発行日 1977年11月15日
Published Date 1977/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205515
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コレラばやりだった今年の夏■
6月には,青天の霹靂のごとく,有田市にコレラ(エルトール小川型)が流行した.それを機会に,全国的にコレラが意識されたせいか,その後,東京などで保菌者がみつかったりした.それらも,7月上旬には一まず終熄し,ほっとしたのも束の間,8月には由良町にコレラが単発発生した.その事後措置の最中,今度は,神戸港に入港した洋上大学の学生たちに,コレラが発生した.今夏は,コレラばやりであったといえる.由良町での単発発生例と洋上大学学生に発生した例では,幸い,さほどのパニック現象もなく,防疫活動が比較的スムーズに進行したように思う.
筆者は,有田市におけるコレラ流行の禍中にいた一人として,その流行を振り返りながら,こうしたコレラ事件が連続したことに関連して,少し私見を述べてみたいと思う.
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