昨日の患者
先生を信頼していますから
中川 国利
1
1日本赤十字社東北ブロック血液センター
pp.441
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212908
- 販売していません
- 文献概要
医師に成りたての頃に経験したことは,何年経過しても鮮やかに思い出されるものである.いまでも後悔の念に駆られる事例を紹介する.
Gさんは40歳代後半の営業マンで,卒後4年目に受け持った胃癌患者であった.胃全摘はいまだ数例しか経験がなく,緊張しながら執刀した.なお当時は自動縫合器がなく,全てが手縫いであった.術後の消化管造影で吻合部から造影剤流出を認めたため,絶飲食にするとともに中心静脈栄養で管理した.しかしドレナージが不十分であり発熱が続くため,2週間後に再開腹してドレナージをやり直すことになった.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.