Japanese
English
臨床報告
甲状腺転移をきたした胃癌の1例
Thyroid metastasis from gastric cancer
國友 愛奈
1
,
伊藤 誠二
1
,
三澤 一成
1
,
伊藤 友一
1
,
小森 康司
1
,
清水 泰博
1
Aina KUNITOMO
1
1愛知県がんセンター消化器外科
キーワード:
胃癌
,
甲状腺転移
Keyword:
胃癌
,
甲状腺転移
pp.359-364
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212886
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
症例は54歳,男性.噴門部進行胃癌に対して胃全摘,脾臓・大網切除,D2リンパ節郭清を施行した.術後補助化学療法を行ったが,術後8か月のCTで甲状腺腫瘍を認めた.精査中,腫瘍増大による右反回神経麻痺症状をきたしたため,甲状腺腫瘍の外科的切除を施行した.腫瘍は気管や食道に浸潤し剝離困難であったが,迅速病理診断で腺癌の診断を得て胃癌の転移と考えられたため,可及的な切除にとどめた.永久病理標本でも腫瘍は胃癌の甲状腺転移と診断された.速やかに化学療法を開始したが徐々に進行し,初回手術から約1年9か月,転移性甲状腺癌手術から約9か月で死亡した.胃癌の甲状腺転移は稀な病態であり,文献的考察を加えて報告する.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.