Reduced Port Surgery—制限克服のための達人からの提言・23【最終回】
Reduced port surgeryの近未来展望
池田 公治
1
,
佐々木 剛志
1
,
西澤 祐吏
1
,
塚田 祐一郎
1
,
伊藤 雅昭
1
Koji IKEDA
1
1国立がん研究センター東病院大腸外科
pp.1379-1381
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212765
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
腹腔鏡下大腸手術の歴史は,1991年にJacobs1)らにより施行された世界初の腹腔鏡下大腸切除術に始まる.本邦初の事例は1993年に渡邊ら2)により報告され,1996年には早期がんを対象として保険収載された.1990年代後半からは,欧米において進行大腸癌に対する腹腔鏡手術の根治性について,開腹手術での結果と比較する大規模RCT:randomized control trial〔COST(北米)3),CLASICC(英国)4),COLOR(欧州,他)5)〕が行われ,全生存率,無再発生存率に差がないことが報告された.2002年には本邦においても腹腔鏡手術の保険適応が進行大腸癌にも拡大されたことをきっかけに,急速に全国に普及した.
腹腔鏡下手術は開腹手術に比べて低侵襲で整容性が高いことから,広く患者の支持を得られるようになり,近年では手術手技の向上や手術機器開発の進歩に伴い,より小さな創での手術が可能なreduced port surgeryが行われるようになった.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.