増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理
肝
通常肝切除
佐野 圭二
1
Keiji SANO
1
1帝京大学医学部外科学講座
pp.155-157
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212685
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術前管理
周術期管理において,肝切除がほかの手術と大きく異なるポイントは,致命的合併症である肝不全のリスクをいかに回避するか,という点である.肝切除の主な適応疾患のうち,肝細胞癌は背景肝がウイルス性肝障害やアルコール性肝障害など障害肝であることが多く,また転移性肝腫瘍においても術前化学療法による薬剤性肝障害の合併や多発症例に対する広範囲肝切除などにより,肝切除術後肝不全は約2%でみられている1).よって,術前から術後肝不全を回避するための管理を十分に行う必要がある.
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