書評
—洛和会音羽病院 救命救急センター・京都ER(編) 宮前伸啓(責任編集) 荒 隆紀(執筆)—京都ERポケットブック
舩越 拓
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター救急外来部門
pp.971
発行日 2019年8月20日
Published Date 2019/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212568
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ERを受診する患者は多様である.また,同時に多くの患者を診療しなければならない.インターネット環境が整備された病院が珍しくない現在において,スマートフォンさえ持っていればある程度の調べ物もできる.そうした中で,わざわざポケットに忍ばせておく意味のある書籍とはどのようなものだろうか.
一つは迅速性である.慌ただしいERにおいて落ち着いて調べ物をする時間は確保しにくい.インターネット上の情報は質が保証されず,必要な情報にアクセスしにくい.有名な二次資料のサイトも,どちらかというと治療に重きが置かれており,かつ患者到着までの5分で読むには過剰である.もう一つは網羅性である.特定の診療科に偏らない患者に対応するために広い分野をカバーしなければならない.内科のみ,外傷のみ,マイナーのみではERの患者をカバーするには足りないのである.
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