Japanese
English
臨床報告
副脾梗塞に対して腹腔鏡下摘出を行った1例
Accessory spleen infarction treated laparoscopically
川瀬 愛
1
,
鈴木 晋
1
,
岡田 貴幸
1
,
金子 和弘
1
,
丸山 智宏
1
,
水戸 正人
1
Mana KAWASE
1
1新潟県立中央病院外科
キーワード:
副脾梗塞
,
腹腔鏡手術
,
急性腹症
,
左上腹部痛
Keyword:
副脾梗塞
,
腹腔鏡手術
,
急性腹症
,
左上腹部痛
pp.893-897
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212543
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要旨
副脾の頻度は少なくないが臨床上問題となることは稀である.われわれは術前に副脾梗塞と診断し腹腔鏡下に切除し得た症例を経験したため報告する.症例は25歳男性で軽快と増悪を繰り返す左上腹部痛を主訴に受診した.造影CTで脾臓近傍に造影されない3個の結節を認めた.副脾梗塞と診断し緊急手術を行った.術中所見では大網内に血行不良となった腫瘤を認め腹腔鏡下摘出を行った.病理検査で脾臓と同様の構造をもち副脾と診断した.術後経過は良好であった.従来副脾の術前診断は困難であったが近年は造影CTで診断できるようにもなってきており,症状のある副脾は手術治療の適応である.若年者の急性腹症の鑑別診断に副脾梗塞も挙げられる.腹腔鏡手術は有用な治療手段である.
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