Japanese
English
臨床報告
特発性右胃動脈瘤破裂の1例
A case of a ruptured aneurysm of the right gastric artery
神原 祐一
1
,
神谷 忠宏
1
,
平松 和洋
1
,
柴田 佳久
1
,
加藤 岳人
1
,
高田 章
2
Tadahiro KAMIYA
1
1豊橋市民病院一般外科
2豊橋市民病院放射線科
キーワード:
右胃動脈瘤
,
segmental arterial mediolysis
,
腹腔内出血
Keyword:
右胃動脈瘤
,
segmental arterial mediolysis
,
腹腔内出血
pp.1521-1525
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212318
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要旨
症例は83歳男性.一過性意識消失を認め,当院に救急搬送された.腹部造影CT検査で肝,脾周囲に液体貯留を認めた.右胃動脈に径4 mm大の動脈瘤と造影剤の血管外漏出所見を認め,右胃動脈瘤破裂による腹腔内出血と診断した.補液により循環動態は安定していたため,経カテーテル動脈塞栓術(TAE)を行う方針とした.右胃動脈は細く蛇行しておりカニュレーションが困難であったため,塞栓術は断念し,開腹止血術の方針とした.開腹所見で腹腔内には計1,300 gの血液と血腫を認めた.右胃動脈近傍の小網内に血腫を認め,同部位からの出血と判断し,小網切除術を施行した.切除標本には動脈瘤が含まれておらず,動脈の異常所見を認めなかった.術後7日目に急性胆囊炎を発症したが経皮経肝胆囊ドレナージにより軽快し,第22病日にリハビリ目的で転院した.開腹止血術を必要とした右胃動脈瘤破裂の1例を経験した.右胃動脈瘤に対するTAEは困難なことが多く,早期に緊急手術の準備を行うことが肝要である.
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