Japanese
English
臨床報告
肝膿瘍からの膿胸の1例—誘因の1つとしての経皮経肝的治療について
A case of thoracic empyema secondary to rupture of a liver abscess: Percutaneous transhepatic therapy might be a one of factors of thoracic empyema
上村 眞一郎
1
,
黒木 秀幸
1
,
松浦 光貢
2
,
阿部 道雄
2
,
花田 法久
1
Shinichiro UEMURA
1
1出水総合医療センター外科
2水俣市立総合医療センター外科
キーワード:
肝膿瘍
,
膿胸
,
経皮経肝胆囊ドレナージ
,
Biliary fistula
,
Pleural effusion
Keyword:
肝膿瘍
,
膿胸
,
経皮経肝胆囊ドレナージ
,
Biliary fistula
,
Pleural effusion
pp.1423-1427
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212289
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
患者は60歳台,男性.肝細胞癌に対して経皮的ラジオ波焼灼療法,胆石性急性胆囊炎に対して経皮経肝胆囊ドレナージの既往がある.咳嗽,呼吸苦,発熱を主訴に受診した.CTで右膿胸,肝膿瘍,胆石性急性胆囊炎を認め,膿胸,肝膿瘍に対してドレナージを行い改善した.膿胸の原因として胆囊炎からの肝膿瘍が横隔膜を穿破したものと考えられたが,複数回の経皮経肝的治療歴があることから,もしそれが横隔膜経由であった場合,横隔膜の脆弱性を惹起し肝膿瘍から膿胸が続発した可能性も示唆された.腹腔内臓器に対する経皮的治療は可能な限り経横隔膜穿刺を避ける必要があり,経横隔膜穿刺となった際は,その後,胸水貯留がないかを注意深く観察する必要がある.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.