Japanese
English
臨床報告
内視鏡的整復後に腹腔鏡手術を施行した成人の特発性腸重積の1例
An adult case of idiopathic intussusception after endoscopic reduction treated using laparoscopic ileocecal resection
小野 翼
1
,
宮本 慶一
1
,
黒川 耀貴
1
,
高津 有紀子
1
,
盛口 佳宏
1
,
伊在井 淳子
1
Tasuku ONO
1
1公益財団法人宮城厚生協会坂総合病院外科
キーワード:
腸重積
,
特発性
,
成人
Keyword:
腸重積
,
特発性
,
成人
pp.1418-1422
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212287
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要旨
症例は36歳,男性.腹痛を主訴に当院へ救急搬送された.腹部CTで盲腸から上行結腸にかけてtarget signを認め,腸重積と診断した.整復と原因検索を目的に下部消化管内視鏡を施行した.盲腸の粘膜下隆起を先進部とした腸重積であった.腸重積は整復されたが,粘膜下腫瘍の存在と早期再発の可能性を考慮し,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.病理検査で粘膜下隆起は炎症性の壁肥厚であり,器質的疾患は指摘できなかったため,特発性腸重積と診断した.成人の腸重積は悪性腫瘍など器質的疾患を伴うことが多く,特発性腸重積は稀である.術前に特発性腸重積と診断することは困難な場合があり,手術治療が避けられないことが多いため,特発性である可能性が否定できない成人の腸重積については,腹腔鏡手術など低侵襲で行える治療を念頭に置く必要がある.
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