書評
—Justin B. Dimick, Gilbert R. Upchurch Jr., Christpher J. Sonnenday(編) 安達洋祐(訳)—症例で学ぶ外科診療—専門医のための意思決定と手術手技
馬場 秀夫
1
1熊本大大学院・消化器外科
pp.389
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211983
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このたび,医学書院より『症例で学ぶ外科診療—専門医のための意思決定と手術手技』が刊行された.本書は英文書籍“Clinical Scenarios in Surgery—Decision Making and Operative Technique”の翻訳書である.原書は全123章・672ページに及ぶ書籍だが,訳者の安達洋祐氏(久留米大医学教育研究センター教授)により,日本の外科医が診る機会の多い疾患に的を絞った55章を厳選し再編集したものである.原書の魅力(症例をベースに外科的疾患の診断・治療を学ぶことができるユニークな教科書)と訳者のきめ細やかな補足解説が合わさり,本邦の読者のニーズに適した書籍になっている.
訳者の安達洋祐氏は消化器外科医として,これまで多くの臨床・研究・教育の経験を通じて数多くの医学書の執筆,編集,さらに英文原著の翻訳に携わっており,いずれの本もその簡潔明快で,読んでいて要点がクリアーカットに頭に入ってくる洗練された内容に仕上がっている.そのため,この分野では極めて高く評価されている方であり,小生もファンの一人である.実は,この英文原書は小生も以前より購入して目を通していたのであるが,訳者の極めて適切な補足も加わり,より充実したわかりやすい内容になっている.
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