書評
—出雲雄大,佐藤雅昭(編)—仮想気管支鏡作成マニュアル—迅速な診断とVAL-MAPのために
永安 武
1
1長崎大大学院・腫瘍外科
pp.121
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211921
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
人体を構成する全ての臓器は立体である.その中でも肺は気管支,肺動脈,肺静脈が5つに分かれた肺葉内で立体的に絡み合う複雑立体臓器である.気管支鏡に携わる気管支鏡専門医や呼吸器外科医にとって,気管支や脈管の立体的構築を念頭に置きながら肺野病変の診断,治療を行うことに,これまではいわば直観的で職人芸的な要素が必要であった.
近年,高解像度CTの普及により小型の末梢肺病変に対する気管支腔内超音波断層法(endobronchial ultrasound:EBUS)などの新技術や,末梢小型早期肺癌に対する肺部分切除や区域切除などのいわゆる縮小手術が標準治療として一般化しつつある.このような診断,治療の多様化と普及により,手技の普遍性の維持や教育という観点からも既存の技術に加えてこれを補助し精度を高めるような新技術導入が望まれてきた.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.