書評
—大江裕一郎,渡辺俊一,伊藤芳紀,出雲雄大 編—肺癌診療ポケットガイド
光冨 徹哉
1
1近畿大・呼吸器外科学
pp.62
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224553
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その名の通り,白衣のポケットにすっぽり入るコンパクトな本であるものの,内容は非常に充実しており,肺癌の診療に必要なことほぼ全て,すなわち疫学,診断,治療,emergency,緩和医療,薬物の副作用対策,合併症のある肺癌,社会資源,チーム医療,臨床試験と非常に広汎な領域が網羅されている.
わが国屈指の施設である国立がん研究センター中央病院の医師,看護師,薬剤師,相談支援室など関連各部署の総力を挙げて執筆されているだけに内容も非常に充実しており信頼がおける.2015年改訂された病理のWHO新分類はもちろん,2017年より改訂されるTNM分類8版も収録されており親切である.推奨する根拠となった臨床試験や文献などについても要領よく記載されており,知識の整理にとても有用である.
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