Japanese
English
臨床報告
完全内臓逆位およびAdachi Ⅵ型腹部血管破格を伴う胃癌切除症例の1例
A case of gastrectomy for gastric cancer with complete situs inversus and type Ⅵ Adachi abdominal vascular anomalies
杉田 久記
1
,
金沢 義一
1
,
藤田 逸郎
1
,
柿沼 大輔
1
,
菅野 仁士
1
,
内田 英二
1
Hisanori SUGITA
1
1日本医科大学消化器外科
キーワード:
胃癌
,
完全内臓逆位
,
血管破格
Keyword:
胃癌
,
完全内臓逆位
,
血管破格
pp.117-121
発行日 2017年1月20日
Published Date 2017/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211496
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要旨
症例は79歳,男性,10歳代で開腹歴があり,その際内臓逆位を指摘されていた.健診にて胃癌を発見され,上部消化管内視鏡では胃角部小彎に0-Ⅱc病変を認め,生検結果はpor 1,Group 5であった.術前CT検査では胸腹部臓器左右逆転,およびmultidetector CT(MDCT)検査ではAdachi Ⅵ型に相当する腹部主要血管破格を認めた.以上より完全内臓逆位およびAdachi Ⅵ型血管破格を伴う早期胃癌Stage ⅠAと診断した.手術は開腹幽門側胃切除術を施行し,術後合併症なく軽快退院した.内臓逆位および血管破格を合併する胃癌手術報告例は稀である.内臓逆位症例の術前には解剖学的把握が重要で,特にMDCTは血管走行確認において有用であった.
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